第三十三回 「アメリカがCCCD再投入

▼CDにコピー防止機能を備え付ける傾向は日本のみならず、世界中に広がっています。ヨーロッパで販売されるタイプのCCCDは、MDへの録音さえも認めない作りにもなっていて、日本のものよりも複製が強く規制されています。そんな流れの中、アメリカではCCCDの「普及」に大きな遅れをとっていました。そのアメリカで、かつてCCCDで回収騒ぎを起こしたBMGから、再びCCCDをリリースする事になったのです(ソースはこちらっす)。

▼アメリカで初めてCCCDが発売された時は(当時は日本のものと同じCDS方式を採用)、再生不都合やPC・Macで音楽を楽しむユーザーの切捨てなどが大きな問題となり、消費者からの反発が強かったのだそうです(日本もこれ位の勢いになってもらいたいのですがね…アメリカは訴訟大国だから、消費者の立場も強かったりするのでしょうね)消費者の反発が怖かったレコード会社は、今日までCCCDの導入をためらっていた訳です。CCCDを導入するためには、「PC・Macでの再生・個人的範囲でのコピー」「チップ形式・ハードディスク形式の携帯プレーヤーで音楽を楽しむユーザーへの対応」「コンポなどの家電との互換性」「音質劣化を極力避けること」といった課題をクリアした技術が開発されないといけなかったのです。

▼しかし、この課題をほぼクリアしたコピーコントロール技術がついにできたというのです。SunnComm Technologies社の開発した「MediaMax CD-3」という方式がそれです。この方式は、現在日本のみならず世界中で普及しているMacrovision社の「CDS200(以前はイスラエルのMidbar Tech社のものでしたが、昨年Macrovision社に買収されました」とは違った特徴があります。 

▼一つ目は「
Macへの対応」です。これは今までこらむで紹介してきた「CDS200」や「Key2Audio」にはない特徴です(CCCDに折り込まれた注意書きに、「●Macintoshには対応しておりません」と書かれているのをご存知ですか? Key2Audio方式のものですと、Macでの再生を認めないどころか、フリーズさせてしまうことがありました)。これまでのコピーコントロール技術で問題の一つとなっていた「Macユーザーの切り捨て」が解決されたのです。 

▼二つ目は「
PC・Mac、MP3プレーヤー多数に転送可能なコンピュータ対応ファイルがつく」点です。似たような方式で、SonyのレーベルゲートCDを挙げる事が出来ますが、こちらもまた、Macには非対応である上に、Sonyの「NetMD」や「openMG」に対応したプレーヤーで無いと外へ持ち運ぶ事ができないのです(ウ●ークマンには対応してるけど、iP○dには非対応だったりしたんです)。企業の戦略性を抜きにして、ユーザーの利便性を優先に考えているのが見えるような気がします。

▼三つ目は「
アルバムを購入すると、各曲につき3回まで自分のCDに書き込み可能」になったところです。基本的にはリッピング・コピーのロックがかかるわけですが、回数に制限を設け、個人的な範囲での複製まで制限をかけないようにしたところがポイントです。書き込めるデータがオーディオトラックのものなのか、専用の圧縮音源なのかは分かりませんが、もしもの時のためにバックアップをとっておきたいというユーザーへの考慮が見られるなと思いました。

▼最後に四つ目として、「
ほかのユーザーと共有できるリンクの提供」です。これってP2Pに似ていると思いませんか? 日にちの制限はつくものの、楽曲の共有を許している点は、CCCDの技術としては画期的なものなのではないでしょうか。

▼MediaMax CD-3は家電との互換性もよいので、今後アメリカではこの方式でのリリースが進むのではないでしょうか
(唯一残っている音質面での問題は解決しているのか分かりませんが)日本も消費者からの反発が無いからといっていつまでもコピーを防止しない怠け者CDSを採用してないで、こういった本格的でかつ、様々な「聴くスタイル」に対応した方式を採用すべきなのではないでしょうか? …もっともそれ以前に、新規格への移行を推し進めるのが望ましいのですが(せっかく3万切ったSACD/DVD-Aユニバーサルプレーヤーが出てきたんだし)


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