第八回 「再販制度という甘〜い蜜。」


▼なぜレコード会社はCDで音楽をリリースすることにこだわっているのでしょうか? DVDには規格内にプロテクトが組み込まれているというのに。CDはパソコンがここまで普及する相当前の時代に作られた規格なのでプロテクトに関しては甘すぎるところがあるのですが。どうも、レコード会社がDVDや次世代オーディオ規格でリリースすることをためらっているのは、再生機材が普及しにくいことのほかに、「再販制度」へのこだわりがあるようです。


▼再販制度とは何のことなのでしょうか? 簡単に言うと「年月がたっても価格を落とさずに売るようにする」ための特例のことです。レコードショップに行くと分かると思います。DVDのコーナーでは「全品10%OFF」とか、何年か前に出たやつに「20%OFF」のシールが貼られていたりしている一方、CDは何の割引もされないでジャケットや帯に書かれた値段どおりで売られていませんか? これはDVDといった映像メディアには再販制度が適応されていない一方、CDなどの音楽メディアには再販制度が適応されているため、このような違いがでているのです(まぁ、これがあるから中古書店や中古CD屋という商売ができる訳ですが)。

 再販売価格維持行為(「再販行為」)とは、典型的には、メーカーが取引先である卸売業者や小売店に対して卸売価格や小売価格を指示してこれを維持させる行為のことである。自らの販売価格ではなく、販売先の販売価格の維持に関与するから「再販売価格」維持行為である。この行為は、流通業者間の価格競争を減少・消滅させることになるため、不公正な取引方法として独禁法により禁止されている。ただし、「著作物」および「公正取引委員会が指定する商品」については、メーカー等が再販行為を行っても、一定の条件の下で独禁法が適用されない(独禁法24条の2)。現在、公正取引委員会(公取委)から指定を受けている商品はないから、著作物だけが再販行為を認められている。公取委は、再販行為が認められる「著作物」を、書籍、雑誌、新聞、レコード盤、音楽用テープ、音楽用CDに限定しており、ビデオ、レーザーディスク等の映像媒体及びコンピュータープログラム、データベース等は対象外である。
(「なぜ著作物再販制度を問題にするのか」より)



▼いくら「音楽メディア」とはいっても、再販制度を受けるのは「レコード盤、音楽用テープ、音楽用CD」に限定されているため、DVDでリリースしても再販制度が適応されません。そうなると、レコード会社の利益が減るわけです(安く売られたらもうけられないでしょ?)。SACDやDVD Audioといった次世代メディアに移行しないのも、再販制度がからんでいるようです。これらに本気で移行したいんだったら、「著作権のため、SACD(DVD Audio)に移行いたします」といって、有名アーティストの音楽を大量にリリースして移行させる手もあるはずです(レコードからCDへの移行のときのように、並行期間をおくという手もありますが)。それなのに、どうしてCDに(規格から外れるようなことまでして)プロテクトをつけて(しかも不完全)リリースするのでしょうか? ちょっとレコード会社の裏が見えてきたと思いませんか?



追記(9/10):再販制度という言葉をググってみましたら、「出版物の価格を安定させ、国民に等しく文化、知識を高めさせる目的がある。」と記されているところがありました。新聞や音楽CDなどといった文化的なものに価格をつけ競争させる事は、確かに地方によって価格差が生じて問題が起こるかもしれませんが、それはあくまでインターネットが発達する前の時代の話。たとえ地方で手に入らなくても、アマゾンに行けば手に入るという時代なのですし、再販制度がある今でさえ、欲しいCDが手に入らない現状もあるのです(新聞にいたっては、ネット上でただで見れるんですから価格差も何も無いですよね)。要するに、今の再販制度は消費者のためにあるのではなく、出版社の利益保護のためだけにあると言えるのです(こちらのサイトで再販制度保護を訴えているようですが、どうも現実味が無いように思えるのです… 「再販制度がないと廃盤制度も無い」という理屈がいまいち分からんので、どなたか分かる人がいらっしゃったら説明していただきたいです。まぁそれ以前に「CDが安く買える環境を選ぶよりも沢山の種類から選べ、どんな僻地にいようとも都会で住んでいる人と同じ価格で買える環境を守るほうが真の音楽ファンにとっては重要ではないでしょうか?」という言葉をインターネット上で発言している事自体、ちょっとおかしな事なんじゃないかと思うんですけどね…)。


                                                                                     つづく


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