第三十八回 「音楽流通の新しい形

▼先日、NAVERという検索サイトにふらっと立ち寄ってみたら、「みんなの投資で元オフコースが動き出す」なんていう宣伝があったのでクリックしてみたら、ミュージックファンドというサイトに到着しちゃいました。サイト名に「ファンド」とついていることからもお分かりの通り、このサイトでは自分の好きなアーティストの作品に投資する事によってCD製作を進め、見事そのCDがヒットしたら配当金が投資者に渡るという、「投資」による音楽流通の新しい形です。ちなみにまだスタートしたばかりなのでまだまだ規模が小さいですし、これがずっと続いていけるのかは分かりません。とはいえ、これは音楽流通にとって画期的な方法なんじゃないかなぁと思いました。そこで今回は、音楽流通の新しい形についてちょこっと考えていこうかなぁと思います。

▼その前に、今までの音楽流通について考えてみようかと思います。今まではレコード会社から小売店、小売店から消費者という、一方的な流通形式だったと思います
(しかし、レコード会社の多くは株式会社あるので、間接的に消費者とレコード会社がつながっている部分もあったりします)。しかし、テレビも双方向で情報のやり取りが出来るようになったこの時代に、こんな一方的な流通方法でずーっと続けていく事が出来るんでしょうか? 最近出版業界の景気が悪くなっているという話を聞きますが、いつまでも単方向な流通システムを継続しているがために不景気になっているんじゃないかと僕は勝手に想像しています。アンケートで消費者の反応を集めようとしていても、それが見える形で現われない限り、一方的な押し付けとなってしまう事に変わりありません

▼先にあげた「ミュージックファンド」というのは、そんな一方的な押し付けを打破する手段の一つなのではないかと思いました。今まではCDを買ったりライブに行くなどしか、アーティストを応援する術は無かったのですが、そこへこの「投資」という選択肢を付け加えるのは画期的なことではないでしょうか。ちなみに出版業界にも、ミュージックファンドとはちょっと仕組みが違いますが、消費者が主体的に参加できるものがあります。復刊ドットコムというところなのですが、復刊してもらいたいものの人気投票を行い、ある程度の人数が集まったら出版会社に復刊の提案をし、うまく行けば希望の本がGetできるというものです。復刊ドットコムのCDバージョンができると良いなぁなんて思ったりもしますが…

▼この流通形式はかなり斬新なものなので、今すぐに普及すると言うものではありませんけれども、少なくとも
レコード会社はこれまでの一方的な押し付けという流通方法を改めるべきなのではないかとは思います。一方的な押し付けによって、小売店にとってはこの不景気に上から押し付けられたノルマを達成するのが大変だということがありますし、消費者にとっては自分の欲しいと思えるアーティストや楽曲が無くてCDを買わなくなったということもあります。こんな状況だと、CDの売り上げが下がってしまうのにも納得がいってしまいます。ビーイングみたいに、2ちゃんねるの邦楽板で「倉木麻衣のアレンジャーを徳永氏からCybersoundに戻せ」という声が上がったらいつの間にかそうなっていたり、「愛内里菜のPVをフルバージョンで入れろ」という注文があったらしっかり全部入っていたり、「ZARDの新曲のタイトルが長すぎる」と叩かれたらいつの間にか短くなっていたりしていたように(ビーイングが2ちゃんをみているという噂は、こんな事実関係が多数あるからなのだそうで…)消費者の声をダイレクトに反映させる事が今のレコード会社に求められている事なのではないでしょうか? それが信頼関係の構築につながり、さらには売り上げの向上にもなっていくのではないかと思います。




  トップへ  

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送