第三十回 「アルバムのLGCD導入先送りは何故?」
▼先回、LGCD(レーベルゲートCD)がアルバムに導入されないのは「物理的に不可能な面があるのではないか」ということを書きましたが、2ちゃんねるでは以下のようなやり取りがありました。
797 名前:名無しのエリー 投稿日:03/08/17 22:13 5r+D8z6O アルバムもLGCDだったらとっくにやってるだろ。 心配しなくてもアルバムはLGCDにならねーよ。 798 名前:名無しのエリー 投稿日:03/08/17 22:21 IIHSvpu3 でも、不安は拭えないよ〜。 799 名前:名無しのエリー 投稿日:03/08/17 22:25 5r+D8z6O >>798 この辺みたら少しは落ち着く? http://sound.jp/j-poper/cccd_21.htm 可能性大とか、>>794が考えてるようにアフォだから導入とか利口だから 導入しないとかそんな問題じゃなくて、物理的に出来ないが多分正しい。 800 名前:名無しのエリー 本日のレス 投稿日:03/08/18 05:16 04S+Rbtn >>799 なるほどね、でも容量的に許せばできるんだよねぇ・・・。 801 名前:名無しのエリー 本日のレス 投稿日:03/08/18 06:06 6qhrRuxL >>800 容量決まってるのにどうやって許すの?アフォ? 802 名前:名無しのエリー 本日のレス 投稿日:03/08/18 06:25 jHuTLcvF アルバムでも収録時間が短ければ可能なのでしょう? 803 名前:名無しのエリー 本日のレス 投稿日:03/08/18 06:34 6qhrRuxL >>802 そういうのを世間では、ミニアルバムもしくはマキシシングルと呼ぶ。 804 名前:名無しのエリー 本日のレス 投稿日:03/08/18 06:41 jHuTLcvF ? 45分収録だったら、74分の60%だから、圧縮データのATRAC3だと 同じ量なら入ると思いますけど。 あ、再生アプリも入れなきゃいけないのでその分で無理なのかな? 805 名前:名無しのエリー 本日のレス 投稿日:03/08/18 06:48 6qhrRuxL >>804 全部ATRAC3ならね。音楽トラックの分も忘れてないか? 807 名前:名無しのエリー 本日のレス 投稿日:03/08/18 07:04 U5wJUEqU >>805 ?? いや、だから、邦楽アルバムの比較的多い45分収録だと、 CDの最大容量(700MBとして)で音楽データ29分ぶんの領域(280MB)が空く事になります。 再生ソフトの大きさによりますが、45分のATRAC3データを書き込める大きさかなぁと。 808 名前:名無しのエリー 本日のレス 投稿日:03/08/18 07:17 6qhrRuxL >>807 ごめん、寝起きでぼけてた。 確かにそうだね。 じゃあ、なぜ5月といってたのが今何月だよ?って話になるのだが。 809 名前:名無しのエリー 本日のレス 投稿日:03/08/18 07:39 6qhrRuxL MQSETUP.EXEで17.5Mも食ってる。 これはATRAC3で3〜4曲分? んで例えば45分っていうと倉木のIf I Believeが11曲 インスコプログラムは省けるのかどうかしらないけど、 このままの構成だと、10曲も入らないね。 2ちゃんねる邦楽板 【規格外】CCCDに断固反対するスレその4【欠陥品】より |
…このスレッドでのご指摘どおり、詳しく調べてみると、アルバムでもLGCDの導入が物理的に可能であることが分かりました(かなりいい加減なこと言ってたのね…反省。)。しかし、LGCDをアルバムに導入すると起こってしまう問題はまだ拭い去れないものがあります。今回はそのことについて書こうかと思います。
▼まずは「どうして物理的な導入が可能であるのか」を検証したいと思います。アルバム導入が可能か否かは、再生ソフトのインストーラーなどのアプリケーションの容量と、PC再生用音源の容量(オーディオトラックと比較しての圧縮率)がわかればよいと思うので、手元にあるLGCD8枚(こんなに持ってたんですね…このうち5枚はレンタル落ちしたものを10円でGetしたものなんですが、不買運動していらっしゃる方には申し訳ないです…)の中身を調べてみました。下の表は、玉置成実の2ndシングル「Realize」を調べたものです。
サイズ | ||
アプリなどの容量 | MQDISK(フォルダ) | 34.5MB |
(うち、PC用音源の合計サイズ)@16.8MB | ||
AUTORUN | 2KB | |
MQDISK(アプリケーション) | 486KB | |
合計 | A35.0MB | |
オーディオトラックの容量 | 全4曲 | B182.18MB |
全体の容量 | 213MB |
(「アプリなどの容量」はそれぞれ、右クリックの「プロパティ」で計測、オーディオトラックは「B'sRecorder」の「リッピング」で計測しました)
PC用音源ATRAC3の圧縮率は、@をBせ割ると求められます(およそ0.09という数になりました)。純粋なアプリケーションの容量は、Aから@を引くと求められます(およそ18.2MBです。ちなみに実際にフォルダを開くとより正確な数字が出ると思います)。他の7枚のディスクにも同様の結果が得られました(ただし、インストーラーはリリース時期によって多少の変動あり)。これを基に、LGCDを導入するためのオーディオトラックの容量の限界の式を作ると
X+0.09X+18.2≦700(or650) …〈1〉 X≦625.59(579.72) …〈2〉 X:オーディートラックの容量 18.2:アプリの容量 |
というものになりました。 X+0.09+18.2 を使うとと、普通のCDにLGCDを導入した時の容量が求められます。ちなみに、以下のCDでLGCDを導入した時の容量を求めてみました。
タイトル | オーディートラックのみの容量 (この値に0.09をかけると PC用音源の推定容量になります) |
エンハンスド仕様抜きに考えた時の LGCD化後の容量 |
@B'z 「Green」(全12曲) | 468.68MB | 529.06MB |
ATM Revolution 「triple joker」(全12曲+エンハンスド仕様) | 548.68MB | 616.26MB |
Bmove 「super tune」(全18曲+CD-TEXT) | 649.90MB | 726.59MB(LGCD化は無理) |
通常の12曲程度の曲でしたら導入は可能ですが、moveのように大容量のものは物理的に不可能になります。では、どの容量までならOKなのかは
〈2〉の式で求めることが出来ます。最大容量が650MBの場合は579.72MB(時間にしておよそ66分)まで、700MBの場合は625.59MB(時間にしておよそ71分18秒)までなら、LGCDの導入が可能であることが分かりました。要は、普通のアルバムでLGCDを導入する事は可能であり、PC用音源の圧縮率はアルバムでの導入を見越してのものであるということだったということです。
▼しかし、なぜ5月から導入と言われていたアルバムへのLGCD導入が先送りされているのか。それは、ライセンス取得に関するシステムにも原因があるのではないかと考えました。現在のライセンス取得は、一回目は無料といっても、シングルに収められている全トラックを無理やり取得させるものであって、ユーザーは「これだけ入れたいからこれはいらない」というような選択が出来ないようになっています。それは2回目以降も同じだと思われます。シングルは4曲入りのものが多いので、二回目以降は840円かかることが多いでしょう(ちなみに一曲210円らしいですが、バラではGetできないようです)。しかしアルバムだと、2回目以降は12曲入りで2520円、15曲にもなると3150円と、もとの値段を超えんばかりの価格になってしまいます(Vivian or Kazumaの「moment remixes」でさえ、2回目以降は1050円になっててCD価格並みなのに…)。ユーザーはバラで購入することが出来ないので、下手するとCDをもう一枚買うよりも多くの価格を払わなければならないのです。まずは、一曲単位でインストールできるようにしていただかないと、このままアルバムに導入してしまうと大変なことになりかねません。
追記(8/20):今回の計測方法、計算方法は(正確に行うように心がけましたが)必ずしも正しいといえるものではありません。反論や間違いの指摘、もっと正確なデータが手元にある方などはこちらにメールを下さるとありがたいです。
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