第二十一回 「Sonyの『明日への扉』は開かれるのか?」
▼「あいのり」のテーマとしてすっかりおなじみ(?)のI WISHですが、デビュー曲「明日への扉」の帯の裏には「I
WISHの奇跡」なるものが書かれています(買った方は是非ご覧くださいませ)。
@デビュー前にしてフジテレビ系「あいのり」主題歌決定 A結成三ヶ月にして50社を超えるレコード会社、プロダクションからスカウトされる B現在、楽曲のストックがai・nao(I WISHのメンバー)共に500曲以上 Caiは現役の女子高生(!)、naoは現役の大学生 Daiは10才の時、音楽の殿堂・カーネギーホールの舞台に史上最年少で立つ |
…この「奇跡」に「Eデビュー曲がCCCD(レーベルゲートCD)でリリースされる」が加わることは言うまでもありませんが(涙)。まぁ、いい曲っちゃあいい曲なんですが、ちょっとボーカルを持ち上げすぎじゃないですかねぇ?
▼しかしなんで、今回のタイトルにわざわざ「SONYの」という言葉をくっつけたかというと、実はSonyのアルバムへのレーベルゲートCD(以後LGCD)の導入がスムースにいっていないという、悲しい(?)出来事があるからなのです。本来、Sonyは5月程からアルバムにもLGCDを導入する予定でした。しかし、6月も終盤に差し掛かってきた今なお、SonyのアルバムにLGCD仕様のものはリリースされていません(シングルには順調に導入されているのですが)。一体何故、こんなことが起こってしまったのでしょうか?
▼某掲示板ではこれに関していくつか説が述べられていました。「@SMEのサーバーがショボくてアルバム楽曲数のダウンロードに耐えられない」、「Aそれ以前にレーベルゲートのダウンロード販売がうまくいっていない」「Bシングルのレーベルゲートに対する苦情が予想を超えていた」(以上、2ちゃんねる掲示板音楽芸能板 「【音楽・危機】人々から音楽を奪う欠陥CCCD
part19【業界倫理問題】」の715さんの発言より)という感じです。
▼@に関してですが、これはあながち嘘でも無いような気がします。以前、玉置成実のシングルの圧縮音源をゲットしようと思ってサーバーに接続したら、何回トライしてもサーバーが込み合っていてライセンス認証されなかったことがありました。シングルでさえ込み合うのだから、アルバムにしたらなおさら無理だと思います。Aも事実で、メジャーの運営している音楽配信サービスはどれも成功していません。…が、これがLGCDとどう関係があるのかはちょっと?です(インターネット接続があるPCだったら、LGCDを入れたとたんに有無を言わさずレーベルゲートのサイトに接続されるのだから、レーベルゲートを知ってても知らなくても関係ないと思われますがどうなんでしょう?)。Bはどうなんでしょう? Sonyが公式にどれほどの苦情が寄せられているのか公表していないので何とも言えませんが、avexであれだけ騒動を起こしたCCCDがSonyにも導入されると知ったら、音楽ユーザーも黙っちゃいないと思うし、アーティスト側からも苦情が来た(浅倉大介氏、奥田民生氏など)のだから、あながち嘘では無いと思われます。
▼しかし僕は、もう一つそこに理由があるのではないかと思います。 LGCDは「オーディオトラック」「MAGIQLIP(圧縮音源専用プレーヤー)セットアッププログラム」「圧縮音源」の三つのデータが最低限ふくまれています(他にもあると思うのですが詳しくは分かりません(汗))。シングルであれば、オーディオトラックに入っている曲が4〜6曲程度なのでほとんど問題はありませんが、アルバムとなると、曲数が増えて、時間も74分じゃ収まらないこともあります(LGCDのコピーコントロール技術には、CCCD同様にCDS-200が採用されていますが、この技術の弱点は「オーディオトラックの収録時間が74分を超えると、CDの容量上コピーコントロールをかけることができない」ことにあります)。ましてはLGCDのPC専用圧縮音源はavex等から出ているCCCDのPC専用圧縮音源より高音質にできているので、普通のCCCDより圧縮音源でCDの容量を食ってしまうことも考えられます。要するに、今の技術ではアルバムでLGCDを導入することはCDの容量上無理なことであると考えられます。
▼音楽の次世代フォーマットがDVD-audioに傾きつつある今日この頃、独自の次世代フォーマット「SACD」と、やたらに容量を食うコピーコントロール技術「LGCD」を抱えたSonyに「明日への扉」は開かれるのでしょうか? 今後の動きに目が離せない…かも?
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