第十二回 「CCCD回避への道ーアーティスト編ー」

全てのアーティストがCCCDを受け入れているわけではありません。そういった方は「音質の劣化」などを理由に反対しているわけです。実際のところ音質は劣化するのですが(しかし最近のCCCDのなかには音質の劣化があまり目立たないものも出てきている)、そういった方々はどういう方法でCCCD化を回避するのでしょうか? 山下達郎氏のように、レコード会社に絶対的な権力を持っている人であれば、レーベル全体にCCCDの導入を抑えることができるのですが、大半のアーティストは「上からの命令で仕方なく……」と泣き寝入りをするか、以下の方法でCCCDを技術的に回避されているんです。


▼まず第一の方法として、
CD-EXTRAをつけることによってCCCD化を免れるという方法です。これは、宇多田ヒカルやスケッチショウなどのアーティストが用いている一般的な回避方法です。オーディオデータに加えてパソコンなどで画像などが見れるおまけのトラックをつけることによって、CCCDのコピーガードのデータが技術的に入ることのできないようにしてしまうのです(詳しいことは良く分からないのですが……)。CD-EXTRAを用いても音質の劣化は見られるのですが、CDS200ほどの影響ではないようです。似たような回避方法として、CD-TEXTを書き込むことで回避する方法も挙げられます。moveのベストアルバムが良い例です(が、いつのまにか「super tune」がシリーズになっているのは何なのでしょう?)。この方法は、CD-EXTRAとはまた違った原理なのですが、「おまけをつける」というアイディアは共通しています。


▼第二の方法は、
「74分をオーバーする」ことです。オーディオデータがCDいっぱいに入ってしまえば、CCCDのデータが入らなくなってしまうからなのでは? と勝手に想像しているのですが、この方法でもCCCDが回避できるようです。accessの2003年4月のリミックスシングルが、この方法で回避されるという噂がありますが、どうなることやら……似た方法(?)として、トラックナンバーを多く作るとCCCDを回避できるという話もあります。実際この方法でCCCDを回避したという話は聞いたこと無いのですが、ご存知の方はお知らせいただけると(汗)。1トラックの時間の長さに関係なく、とにかくたくさんのトラックを作るのです。極端な話、一曲を何百にも切り刻んでしまってもいいのです(自分で言っててなんだか怪しくなってきた……)。


▼第三の方法になりました(が、この方法は近々、某大物アーティストがやってしまうという噂があります)。それは、
「8cmシングルでリリースする」ということです。「懐かしい」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、8cmシングルにCCCDをつけるのは、データの容量からして無理という話なんだそうです。最近マキシが市場の大半を占めていて8cm置ける場所なんてほとんどないのに、どうやって8cmをリリースするのかというと、見た目の大きさは12cm(マキシと同じ大きさ)にして、データが書き込まれるところを8cmにするという方法で、「大きさはマキシだけど、容量は8cm」とすることができるわけです。内側8cmがギラギラな円盤だけど外側4cmはただのプラスチックの板という、見た目変な円盤になるわけですが……


▼CCCDを完全に回避してリリースすることだけが抵抗策ではありません。
CCCDと同時にDVDシングルをリリースしたり(moveやChangin' My Lifeなど)、CCCDと同じ内容のアナログ盤をリリースしたり(GO!GO!7188や椎名林檎など)、CDだけのリリースにこだわらずに音楽を発信する方法をとるアーティストもいらっしゃるのです。CCCD反対派のアーティストは、努力をしてCCCDを回避している人もいるのです。そこにも「生みの苦しみ」があるのではないでしょうか?
                                                                                     つづく


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